効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■太陽光による飲料水製造

BlackRock社が、太陽光パネルから直接水を造るシステムの開発に5千万ドルを投入しようとしているが、このプロジェクトには、幾つかの事業が投資しようとしており、マイクロソフトを設立したビル・ゲーツのBreakthrough Energy Ventures(障壁を突破するエネルギーベンチャー)も投資をすると報じられている。太陽光パネルは、いま広く行われているような発電をするのではなく、飲料水として利用できる水を、大気中の湿分を凝縮させて作るものだ。この事業の最大の目的は、途上国などで毎日の飲料水を確保できないところに設置して、清潔な水をパイプで供給できるようにするもの。Zero Mass Water社の事業と呼ばれている。

同社はすでに45ヶ国で、学校、住宅、エコリゾート地域などにこのシステムの設置をして検証してきたが、これによる収益も確保できるようになった今、これから途上国での設置を拡充する段階に入ったようだ。Zero Mass Water社は、利用者に設備費の負担はさせず、水を購入するだけで済むような事業方式をこれから採用するらしい。地域と水購入契約(Water Purchase Agreement)を結ぶ形になる。

この水製造システムは、途上国だけでなく、シンガポールのように水の半分以上をマレーシアからの輸入に依存しているような国にとっても有り難いものとなるに違いない。何しろシンガポールは入江をせき止めて海水湖を造り、それを真水に変える大規模プロジェクトを実施しているのだから、水入手の多様化に意味でも既に採用しているかも知れない。

具体的な方式は、湿分の吸着剤が空気から水分を集め、それを太陽のエネルギーで蒸発させて水にし、それに微量のミネラルを加えることによって飲用に適したものにするもののようだ。これは砂漠のように湿度が低いところでも十分機能するというから、今後の展開が期待される。

 

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