効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■6月21日の皆既日蝕とインドの太陽光発電

6月21日(日)に日蝕が起きる。日本では夏至の日の夕方16時頃から18時頃にかけて、日本全体で部分日蝕が見られるとのこと。また、インド北部や台湾などでは金環日食となり、太陽が完全に地球の影に入ってしまう。インドではその時間帯が昼に近く(最初の地域が9時56分)なるため、該当地域の太陽光発電が発電しなくなり、インドの電力供給が混乱する可能性があるようだ。

インドの総発電容量は370GWだが、その内訳は2020年3月末時点で、火力発電が230.60GW、水力発電が45.67GW、再生可能エネルギーによるものが87.03GW、原子力発電が6.78GWであり、再エネの内太陽光発電では、地上設置型のものが32,112 MW、屋根上設置型が2,515MWだと報じられている。太陽光発電の他の再エネは殆どが風力発電だろう。普通なら日中に発電する太陽光発電が、皆既日蝕が東から西に向けて移動するにつれて、国土の広いインドの場合には、日陰になって発電しないパネルのある地域が移動することになる。日蝕の地域は、暗くなるから照明を使うようになるだろうが、太陽が陰ることで空調需要は落ちるだろう。

インドの電力供給網を管理する部門にとっては、このように発電と需要が順次太陽の移動に沿って変動するのに対応して、他の発電設備の稼働を増減させて、送配電系統の周波数変動、電圧変動を抑え込まなくては、大規模な停電が起きる可能性も否定できない。また、21日は日曜日で、事業用の電力需要は少なくなっているから、太陽光発電の出力変動の影響は通常より大きくなる可能性が高い。

当日のインド全体での電力需要は、日蝕が起きる時間帯には150~155GWとなるようだが、インド全体で見れば、人の動きが止まるために、需要が平均的には2~2.5%、瞬間的には3~3.5%落ちると予想されている。日蝕が起きると太陽光発電は、1時間48分の間に毎分102MWでの出力減少(Ramp Down)、日蝕が元に戻る時には、2時間8分の間に毎分104MWの出力上昇(Ramp Up)となると予測されている。この現象がインド全域に順次起きるのだから、それに対応した系統制御を行わなければ、大規模な停電の原因になってしまう。

一般の人達にとっては皆既(金環)日蝕を楽しめる日曜日になるのだが、電力事業者にとっては大童の日になるに違いない。

 

 

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