効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

九電の太陽光発電への対応

経済産業省九州電力は九州で余った太陽光発電などの電力を本州により多く送れるように、送電網の信頼性を高めるシステムを導入すると報じられている。新たな送電線を設置するような印象を与えるが、以前に日記に書いたこともあるように、太陽光発電などの余剰分を本州に送れるように、異常に備えて空けていた本州への回線をより広く使えるようにして、2019年春までに本州に送電可能な量を現状の約3倍にするということだ。現状の3倍ということが可能だとは知らなかったが、これまでは、自由化前に各電力会社が行っていた緊急時への備えとして、連系線を、常時余裕を持ったものにしておくというのを変更するだけで可能になったということだ。これまで、この方策をとるのではなく、太陽光発電などの発電量が需要を超えそうになった時に、太陽光などの発電を止めるという方策を優先させていたのだが、やっと関門海峡を越えて本州に余剰分を流せるようにしたものだ。本州と九州をつなぐ送電網「関門連系線」は2本の大きな回線からなり、最大容量は約300万キロワットあるが、落雷などの事故による回線の故障や、需給バランスの乱れによる停電のリスクに備えるため、現状では最大45万キロワットで運用されているとのこと。空き容量を活用し、最大125万キロワットまで送電可能にするということだが、まず30万キロワットにするために経産省は43億円を投じ、事故時に送電網に過剰な電気が流れ込まないように、太陽光など15カ所の発電所に送電を遮断できるシステムを導入するとしている。これまで太陽光発電事業者に遮断機能を強制していたのだが、政府もコストの一部を負担すると言うことだが、本当にこれほどの投資を必要とするのだろうか。まずは電力需給の広域運用がやっと実現するということに意味があるというべきだろう。