効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■VPP構築実証の開始

 仮想発電所(Virtual Power Plant)は、地域にマイクログリッドが進展すると、そこにある分散型電源を一括りにして、相互の運転状況と電力需要を把握しながら、電力系統の制御をやりやすいように発電させるものだと理解している。太陽光や風力発電と言った出力変動が天候に支配されるものについては、可能な限り天候予測のデータを使った出力制御を行い、それに対応する燃料電池コージェネレーション、蓄電池などを一まとめにして変動を平滑化する制御ができるようにするのだが、送電系統からも、系統から指示を出して、一括りにした電源の出力制御をできるようにすれば、小型の発電所が生まれることになる。これからの電力供給の重要な機能となるものだ。

 これの機能実証を関西電力東京ガスエリアにある住宅で、太陽光発電と家庭用燃料電池エネファームがあるところを幾つか一体制御する方式の実証試験をすることになったようだ。関電が自社管内で行わないのは、大阪ガスと顧客の取り合いをしていることと、パナソニック製のエネファームを中核機器として販売している東京ガスとの方が、共同作業をやりやすかったのだろう。実証期間は2021年2月17日までを予定しているようで、日本ユニシス住友電気工業パナソニック東京ガスが参加している。

 実証では、過年度のVPP構築実証事業で日本ユニシスが構築したRA1サーバや、住友電気工業ゲートウェイに、エネファームとの遠隔通信機能を追加実装し、エネファーム本体に遠隔制御機能を追加することで実証環境を構築する。太陽光発電設備の発電量と家庭内需要の実績・予測に基づき、最適なエネルギーマネジメントに向けて、エネファームを制御する自家消費実証を行うが、具体的には、ユーザーの翌日の需給バランスを予測し、太陽光発電のみで家庭内需要を賄うことが予測できる時間帯にエネファームを停止させ、太陽光発電で発電した電気をより多く利用してもらう。さらに、電力取引等を想定したデマンドレスポンス(DR)指令に基づいた制御実証を行い、エネファームのVPPリソースとしてのポテンシャル評価や技術的知見の獲得を目指す。デマンドレスポンスによって、需要自体を外部から増減させる方式との組み合わせになる。

 この実証のシステム構築は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「2020年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」を活用し実施される。ここではエネファームを遠隔地から制御するのにインターネットを利用している。スマートメーターとの組み合わせも考えられるが、東京電力が関係するから採用しなかったのだろう。

 太陽光発電エネファームが数多くまとまり、一体として制御されるようになると、地域の電力需要の制御がやりやすくなり、大規模発電所の稼働も円滑に進むだろう。大阪ガスは京セラ製の固体酸化物形燃料電池エネファーム-タイプSを取り付けた住宅からは、燃料電池の余剰電力を大阪ガスが買い取る方式を採用しているから、東ガスと大ガスとの競合がここにも出ていると感じる。

 

 

 

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