稲作国であれば、もみ殻は殆どが燃やして処理するのが大部分だろう。灰にして肥料に使うことはできるかも知れない。しかし、東南アジアであれば豊富に出てくるもみ殻を燃料にした発電と、太陽光発電を組み合わせたシステムをカンボジアで事業として始めた企業がある。再生可能エネルギー事業のアウラグリーンエナジー(青森市)と太陽光パネル製造のWWB(東京・品川)だ。発電した電力は精米工場で使い、余剰分は同国の電力会社に販売する。両社はさらにハイブリッド発電を普及させ、電力の安定供給と温暖化ガス削減を目指す。発電能力は1500キロワット。カンボジアの首都プノンペンを取り囲むカンダール州にある精米企業、AKR社が運営する精米工場(敷地面積約20ヘクタール)に発電所を建設する。工場に連結する形でもみ殻を使ったバイオマス発電プラントを建設。敷地内に太陽光発電のパネルを設置する。両施設をつないで、消費電力が多い昼間と少ない夜間など変動する電力消費に対してハイブリッド発電システムで安定供給を目指す。
カンダール州でのハイブリッド発電プロジェクトは、温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)排出量を世界規模で削減するため日本の環境省が用意した「二国間クレジット制度」に採択され、国が約1億1000万円を補助する。CO2排出量を年間約1800トン削減する計画だが、売電による年間収入は約3000万円を見込み、8年程度で投資を回収できる見通しという。カンボジアの電力供給は不安定で、電気料金も高いようだ。
コメの生産大国のカンボジアには約3万カ所の精米工場、精米所があるといわれるから、このプロジェクトが順調に進展すれば、環境省の予算に収まらない数の発電プロジェクトが出てくるかも知れない。WWB社はベトナムに太陽光発電パネル工場を持っているから、輸出とは言え、距離も近く、コストは抑えられるだろう。発電所にはアウラグリーンエナジーなどが開発した余剰電力蓄電システムを導入し、発電した電力を無駄なく活用する。また、21年の操業を目指し同敷地内で日本の業務用食品卸会社などがカンボジア米を原料とした米粉麺(フォー)製造に乗り出す予定で、年間100万食の生産が目標。米粉麺製造工場のエネルギーとしてバイオマス発電の廃熱を供給する計画だという。
ここで入手できる二国間クレジットは、日本国内で利用され、再エネ比率を高めたい企業にそれなりの価格で売ることができるはずだ。
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