効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用規模の発電機からの買電

暖房と発電を兼ねたガスエンジン発電機に、アイシン精機が製造するコレモがある。暖房需要の多い地域向けに開発されたものだが、これの普及に北海道ガスは力を入れている。その一環として同社は、2017年から、ガス暖房用の「コレモ」や家庭用燃料電池エネファーム」を導入している家庭から、発電して余った電気の買い取りを始める。発電機の導入家庭は電力需要の少ない時間帯の発電分を北ガスに売ることで収入を得られる。企業からの買電も強化し、電力小売事業向けに家庭や企業の余剰能力を活用するということだ。家庭用の分散電源からの余剰電力の買い取りサービスは、全国では大阪ガスが域内でエネファーム(タイプS)を新たに導入する家庭を対象に、今年4月から始めている。北ガスは既設のものも含めて買取対象にするということだが、既存のものが系統へ逆潮できるようにするには、おそらく制御系に変更を加えなくてはならないだろう。北ガスは15年度末にコレモとエネファームをあわせて1465台の普及台数を、20年度には9000台にする計画。全て家庭用発電機が買い取り対象になれば、1万キロワット近い発電能力になるという。新電力のベース電源としても利用できるだろう。北ガスは20年度までに電力小売事業で使う発電規模を20万キロワット超と計画している。家庭や工場の分散電源の能力をその一部におくことで、発電所への新規投資を抑制することができ、電力の価格競争力も高まるとみている。同じような手法が全国のガス事業者が関与した新電力で採用されるのではなかろうか。