大阪ガスと東京ガス、旭化成ホームズが共同で、二世帯住宅で、家庭用燃料電池「エネファーム」と太陽光発電で作った電気と熱を融通し、高熱費ゼロ、C02排出量差し引きゼロを実現するシステムを共同開発したとプレス発表している。本当に上に言うゼロが達成できるかどうかは不確かだが、今後普及する可能性のあるエネルギーシステムであることは確かだろう。ガス事業が提唱している熱利用も総合したスマートエネルギーシステムのミニ版だ。比較的敷地にゆとりがある都市近郊や郊外の古い分譲地の建替え市場に向けてのものだと旭化成ホームズは書いているが、建て替えは新築とほぼ同じと考えられる。新設の分譲住宅ではもっとやりやすいだろう。システムフローを眺めると、太陽光発電からの電力とエネファームからの電力を混合して2軒が使う。足らない場合は系統から買うことになる。太陽光発電がフルに発電した場合にエネファームを内部電力消費に十分なように発電させると、太陽からの電力を系統に販売できる。1世帯目はエネファームからの熱を貯めておいてそのまま使い、2世帯目はその熱を普通の給湯回路に繋がる水道水に与えて温度を上げてやり、発生する熱を全部利用するというシステムになっている。水道水の温度が上がれば、ガス給湯器のガス消費が減ることになる。この2世帯がそれぞれに電気メーターを持つ、別関係の世帯の場合には別のシステムが必要となるだろう。2世帯住宅はこれから普及するだろうから、面白いエネルギーシステムを考えたものだ。ただし、二世帯住宅の住人はいずれ一世帯になる可能性もあるから、その時にどうするかも考える必要はあろう。