効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■エネファームと蓄電池

太陽光発電に蓄電池を組み合わせるのは当たり前のようになってきた。しかし、家庭用燃料電池エネファーム700ワット)を蓄電池と組み合わせるのはまだ一般的なものとしては登場していなかった。だが、大きなプロジェクトとしては初めて、晴海にある東京オリンピックの選手村跡地に、選手用の宿泊施設を高級マンションにするプロジェクトが具体化し、4145戸の集合住宅が「HARUMI FLAG」と名付けられて販売されることになった。そして、この住戸全てにエネファームと蓄電池が取り付けられ、HEMS(ホームエナジーマネジメント)で制御される。ここの電気機器は全て通信で制御されるようになっているはずだ。燃料電池は一定の出力で運転され、余剰電力は配電網に逆潮される。それを取りまとめる事業者が不足する家に販売したり、外部に売ったりするようになるはずだ。この全体が仮想発電所として位置づけられる。今後の新市街地のスマート化が具体化してものだ。

エネファーム天然ガスから水素を作って発電するため、ここから得られる電気はCO2を排出しないグリーン電力ではなく、いわばグレイな電力となる。しかし、総合効率が非常に高いために、通常の大規模発電設備よりkWhあたりCO2の排出量は相対的に少なくなる。また将来、水素を太陽光発電で水分解して作ったものを、パイプラインで各住戸やビルに供給する方式が商品化されるだろう。

これから計画が具体化する大阪万博会場へのエネルギー供給についても、この地域が仮想発電所になるようなシステムが導入されることを期待している。太陽光発電風力発電海上近くに設置し、それで水素を作り、直接燃焼、あるいは燃料電池による発電方式で、会場が必要とするエネルギーを殆ど賄えるように出来るはずだ。いま見当が進められているIRの施設も同様のことができる。関西が新しいエネルギーシステムの実証場所になることも期待したい。