■ウイルス抑える紫外線機器 - 効エネルギー日記

　紫外線ランプを使うと新型コロナウイルス防御に使ったマスクの除染に効果があると聞いていたが、ウシオ電機がウイルスの働きを抑える紫外線照射装置の量産を始めると報じられている。医療機関やオフィスの天井に設置し、ベッドや机、衣類などに照射して使う。新型コロナウイルス向けの引き合いが強く、今夏までに国内外で数百台を供給する考えだが、価格は20万～30万円で、一部を無償提供するということだ。既に商品化はできていたものを量産するということのようだ。照明器具に組み込める小型タイプも国内で10月をめどに年数十万個ペースの量産を始める計画で、数十億円の売上高を見込むとのことだ。箱形で重さは約1キログラム。人の目や皮膚にダメージを与えず、細菌やウイルスにだけ効果を発揮するのが特長。紫外線は皮膚や目に良くないと聞いていたが、一定の周波数範囲であれば障害にはならないようだ。

　天井に設置することで、ベッドや机などに付着したり空中に浮遊したりしている細菌やウイルスの働きを抑えられ、5分間照射すると、照射範囲にあるウイルスの99.9%が感染力を失うという。タイマーで1時間当たりの照射時間を設定できる。インフルエンザウイルスや猫に感染するタイプのコロナウイルスに対する効果を実証したが、新型コロナウイルスに対する効果も米国で検証しており、近く結果が出る見通しだと報じられている。照明器具に組み込める小型のモジュール品も開発されていて、価格は1万～2万円というから一般家庭やレストランなどでも入手しやすいだろう。すでに数十万個分の引き合いがあるようだ。

　細菌を殺したりウイルスの感染力をなくしたりする目的では、波長254ナノメートルの紫外線光源が使われてきた。ただし人体に照射すると皮膚がんなどを引き起こす恐れがあるのだが、ウシオ電機は、人体への安全性の高い紫外線光源の開発を進めてきたそうだ。一定周波数の範囲で発信するLEDを使っているのだろうが、紫外線の強さも影響するはずだから、他のメーカーではすぐに商品化は無理なのかも知れない。いま人の手が触れるところを絶えずアルコールで消毒しているが、これに変わる除染方式としても用途があるような気もする。照射時間と除染効果の関係が分かれば、エスカレーターや手すりなどに一定時間照射させることで、アルコールを使った手作業を大幅に減らせるかも知れない。

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