効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■世界で進展する燃料電池バス開発

この間も書いたことだが、燃料電池バスの開発が世界で拡大しているという報道を再度見た。2020年に入ってから日野自動車いすゞ自動車、独ダイムラーなど大手商用車メーカーが続々と他社との協力を発表。電気自動車(EV)と異なり、走りながら発電でき水素の充填にも時間がかからない強みを生かし、大型トラックでの早期の実用化に期待が集まっているというもの。具体的に言うと、4月には世界大手、ダイムラーの商用車部門とボルボスウェーデン)が、折半出資で燃料電池の大型トラックなどを開発・量産する合弁会社を設立すると発表した。年内にダイムラーの関連部門を集約した新会社の株式の半分をボルボが約6億ユーロ(約700億円)で取得するというものだ。いわば敵同士が手を結んだということ。開発に要する投資額が一社では賄いきれないという側面があるだろう。

ダイムラー以外の商用車各社も、今年に入ってから大型トラック開発での協力体制作りを明らかにしている。1月にはいすゞ自動車とホンダが共同研究を行うと発表。2年かけて進めるとしており、まず試作車を造る予定だ。

ホンダは16年に乗用車でFCV「クラリティ フューエルセル」を発売したが、累計販売台数は約1600台にとどまっていた。技術外販の第一歩としてまずトラックでの開発を進める。

日野自動車トヨタ自動車も、日野自の大型トラックをベースとした共同開発を始めた。燃料電池システムと制御についてはトヨタが手がける。三菱ふそうトラック・バス20年代後半までに燃料電池トラックの量産をする方針で、今後量産化に向けて大型、小型などセグメントの選定や開発を検討していく。

走行時には水蒸気しか排出しないことから、大気汚染に悩む中国などで実用化が進み始めている。水素燃料自体は既に石油化学産業から入手できるから、水素充填設備がバスの拠点にあれば、再エネ電力で水電解した水素のコストが安くなれば、それに切り替えることは、新しい流通体制ができれば難しいことではない。いずれ国の支援も準備されるだろう。問題は注入拠点の水素保有量をどこまで大きくすることができるかだと思う。現在の安全規制では貯留量の上限が低いはずだから、その規制の見直しも必要だろう。災害時の電力供給拠点にも利用できるようなシステムにする必要もある。今後の課題だ。

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