効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

パプアニューギニアとLNG

報道によると、パプアニューギニアで米国の石油大手エクソンモービルや日本の新日本石油などが液化天然ガスを生産する事業への着手を正式決定した。2013年末までに年間660万トンの生産を始める計画になっている。かなり前からここに天然ガスがあるとは聞いていたが、同時に埋蔵量と採算性の点で不明な部分が多いとのことだった。石炭や石油に比べて炭酸ガス排出量が少ない天然ガスの重要性が今後高まるし、日本や中国などアジアからの需要が増えることは確実であることから踏み切ったのだろう。日本からの出資比率は4.7%で、日本パプアニューギニア(日本政府が約62%、新日石子会社の新日本石油開発は約36%、三菱商事が1.6%出資している)を介して出資する。
今回のガス田は内陸部にあり、搬出港のあるポートモレスビーまでパイプラインを敷設し、ガス液化設備他の設備を建設する。今後30年は操業可能ということだ。エクソンモービルはすでに中国石油化工東京電力とそれぞれ20年間の長期契約を締結している。国際エネルギー機関の予測によると、日本を除くアジアでのLNG受け入れ能力は、数年後には年2億トンと現在の2倍に達するそうだ。現在石炭価格が安いことから日本では石炭火力の比率が高い。また中国は国内の石炭埋蔵量が極めて多いことから同様に石炭火力に頼らざるを得ない。しかし、いまコペンハーゲンで開催されているCOP15の結論を待たなくても、いずれ炭酸ガス排出量の多い石炭に何らかのハンディキャップがつけられることは確かだ。この動きは米国でも見られる。そのため米国の電力事業は、最近価格が下がり始めた天然ガスにシフトしているということだ。長期的に見れば天然ガスの奪い合いになることは確かだろう。パプアニューギニアにとっては貴重な外貨獲得機会が生まれたことになる。