効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■LNG長期契約が重荷に

 新型コロナウイルスが世界の経済を停滞どころか低下の方向に向かっている。経済の調子は必ずエネルギー需要に出てくるが、まず患者の発生源となった中国のエネルギー輸入量が激減し、LNGの輸入はなくなるようだ。原油の市場は大きく、また、原油市場で自由に取引されるのが殆どであるために、石油産出国は価格低下に悩むだろうが、どことも同じ条件だから諦めるしかないだろう。だが、LNG液化天然ガス)の場合には、輸出側の天然ガス液化装置、輸入側の気化装置の建設コストが大きいことから、大消費国である日本は長期契約、かつ、固定価格で輸入する比率が高い。最近LNGのスポット市場ができたようだが30%ほどに止まり、大半は価格変動が小さくなるような構造になっている。さらに、生産者側のリスクを小さくするために、あるいは、売り手が買い手の弱みにつけ込んだ、Take or Pay契約になっているものが多い。コストが高くなった、あるいは、需要が減ったとして輸入量を減らしても、本来の契約量に沿った支払いをしなくてはならない契約になっている。これが短期で終わる状況であれば、買い手側も耐えるのだろうか、今回のように需要低迷が長期化すると想定できる場合には、輸入側の事業リスクが耐えがたくなるほど高くなる。

 九州電力は19年4~12月期連結決算で179億円の売却損を計上した。契約済みの高い価格で買ったLNGを安く転売せざるを得なかったからだ。同じような環境下にある大阪ガスは、価格改定を交渉したが成立せず、仲裁を申し立てている。輸入が日本と同様に多い韓国も同じ方向に向かいそうだ。有識者の間では、電力の小売り自由化が浸透した今となっては「買い手が数量と価格という2つのリスクを負うのは負担が重すぎる」との見方が浸透しつつある。大阪ガスも他の電力ガス事業と同じく、LNGの生産地への投資を行うようになっているから、両刃の剣になる可能性もあるが、絶対量として依存する長期輸入量が大きいだけに、この仲裁裁定の申し入れの結果がどのようになるか、今後への影響は大きいだろう。

 

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