効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■大相撲春場所とエネルギー

 新型コロナウイルスの蔓延を防止するために、多くの集会、興業が中止になる中、大相撲春場所は観客なしで行われている。観客の声援がない中で取り組んでいる力士にとっては、相撲に力が入りにくいのではないかと思える。テレビ番組で勝負を見ていると、頭がぶつかる音や、四股を踏む音がはっきり聞こえてくる。今まであまり気づかなかったものだ。

 ここで思ったのだが、この取り組みが行われている会場で消費される電力・ガスの消費量は、通常の春場所とは大きく異なっているはずだ。そして、その違いを分析すれば、この会場建物の断熱、照明・空調効率などについて、改善できるところが分かるのではないかと思うようになった。観客席が満席になっているときには、観客からの発熱が大きいために、冬とはいえかなりの強度の冷房を入れているだろう。そして、控え室などは暖房をしている。建物の設計段階で建物構造の断熱係数は出されているはずだが、それを検証する良い機会かも知れない。照明についても同じことが言える。観客席への照明の仕方も変えているようだから、前の場所の照明電力量を調べれば、どこを重点的にLEDなどの高効率の照明に変えれば良いかなども分かるはずだ。高効率化はエネルギーコストの引き下げと同じ意味になるから、エネルギー消費の変化分析をしたら良いと思う。空調・換気システムの効率も分かるかも知れない。

 全国で興業が中止、店舗の休業が無数に行われるのは、全てエネルギー消費を減少させる。一方世界的な石油価格の減少に歯止めがかからない政治情勢となっているため、日本全体として言えば、エネルギー輸入量が減り、消費コストは下がっていく。だが、その変化が大きすぎると、経済全体のバランスが崩れ、日本の経済活動の行方が予測しにくくなるだろう。経済の低迷に拍車がかかるだろうが、できるだけ早くコロナウイルス現象が終息し、石油市場の変調が収まってほしいものだ。