効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ビルの効エネ

国土交通省は建築物の省(効)エネルギー規制を中小規模のアパートやマンションビルにまで広げることになった。新築や大規模な改修をする時などに省(効)エネルギー対策の届け出を義務づけている建築物の対象を、現在の床面積2千平米以上から300−500平米以上に拡大し、戸建て住宅に対する指導も始めるという。大半のアパートやマンションが対象になるというが、どうも対策が後手後手にまわっているような気がする。この規制が量的に意味のある効果を発揮するのには数年かかるからだ。
今日連れ合いの用事があって市役所へ車で出かけた。1時間ほど何もすることがなかったので、最初は駐車場に止めてある車の中で音楽を聴いていたが、エンジンを止めているので車が冷えてくると寒さに負けてしまい、少しは暖かい市役所建物の一階をぶらぶら見てまわることにした。この建物も年数が経っているので、エネルギー効率という点では新しいビルに比べてかなり劣るはずだ。しかし、照明と空調設備の管理をきめ細かくすれば、電力消費を5%位は下げられるような気がした。大型の古いビルの設備管理基準を、天井照明を少なくして手元照明に変える、窓に断熱フィルムを貼る、暖冷房回路の熱搬送経路のポンプやモーターの効率を測定して改善するなど、それほどコストをかけないでも効率を上げることができるのは実証されている。
今回の改訂が悪いというわけではないが、古いビルのエネルギー管理を見直すような具体的指導をすれば効果はすぐに出せると思う。例えばモーションセンサーを取り付けて、人が居ないところの照明を落とすだけでも電力消費は確実に落ちる。お役所の場合、投資の回収という概念が乏しいから、予算がないという理由でこのような対策がとりにくいかも知れないが、民間のビルでは投資を1〜2年で回収できるほどエネルギー費用を削減している事例は多い。せっぱ詰まった日本の温暖化対応の状況からすると、すぐに効果が出るのは何かをもう一度見直すべきではないかと思った次第。