効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■スマートエネルギーWeek2020

 東京ビッグサイトで2月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催された。これが始まったのは随分前のことで、中心は燃料電池Expoだった。第一回から今年まで毎年訪れ、いろいろな新製品やシステムの登場を楽しみ、学んできたのだが、今年はコロナウイルスの蔓延のため、また、毎年海外から来た人が、来訪を取りやめたこともあって、訪問しなかった。聞くところによると、入場時に厳しい検査があり、入場者はマスクを付けることが要請されたそうで、来訪者の数も激減したようだ。展示を予定していた事業者も取りやめたところも多く、トヨタアイシン精機パナソニックも展示ブースを閉じていたそうだ。

 展示場の紹介をする報道記事から知ったことだが、日立造船が、実証試験を経て商品化目前の事業用SOFC(固体酸化物形燃料電池)を紹介していたようだ。発電出力17.6kW、発電効率50%以上のもの。都市ガス(天然ガス)の低圧供給のものだけでなく、中圧供給のガスを燃料として利用できる仕様になっている。低圧よりも中圧ガス導管の方が停止する心配が少なく、地震などへの対応として興味を持った。さらに、完全に都市ガスが停止した時への対応策として、圧縮天然ガスボンベで燃料を供給することもできる仕様になっているとのことだ。停電時自立運転機能が付いているだけではないというのは、この種のものとしては初めてだろう。どこが圧縮天然ガスボンベを供給するのだろうか。圧力次第だが、設置先で圧縮保管することもできるだろう。天然ガスは劣化しないだろうから、この方式は普及するかも知れない。

 同じような発想で、岩谷産業はカセットボンベを動力源とする発電機や炊飯器の開発を始めたようだ。2021年春ごろの発売を目指している。11年の東日本大震災を機にカセットボンベは停電時や屋外で使える点が評価され、鍋向けコンロ以外の製品が増えているとのこと。発電機はガスを燃焼した熱と外気の気温差から電気を生み出す「熱電発電素子」を活用する。ガスでエンジンを回す従来の発電機より出力は劣るが、構造が簡素で軽量化できる利点がある。音も静かで室内で使いやすい。停電時の電力供給やスマートフォンの充電などに使うほか、冬季は暖房としても機能する。ミニマム必要な電力を供給すると言うことだ。面白い発想をしたものだ。カセットボンベ発電機はホンダなどが先行している。だが既存品の多くはエンジン方式で長時間使用すると気化熱からボンベ内が冷え、火力の低下やガスが残る課題があった。岩谷はボンベ内の温度を保つ技術が強みであり、発電機でもガスを使い切り、省エネ性能も売りにしている。

 このようなボンベ供給方式は今後利用分野が広がるかも知れない。