効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

建物の外断熱の究極

今日は一日、水戸にあるDeviceという会社に寄せて貰って、オフィスビルの外断熱の究極のような技術開発実証現場を見せて貰い、社長さんからいろいろ説明していただいた。この社長は、環境の観点で建築物を見ると、特に日本の場合寿命が短く、しかも取り壊した建物の素材はほとんど再利用されることなく捨てられているのは大きな問題だと認識して居られる。建物は手入れをしてやれば長持ちさせることができるし、設計時に考えておけば、材料の再利用も十分できるのをしないのは、大きな環境破壊の原因になるという考えだ。そして、建物のエネルギー消費についても、自然エネルギーをうまく利用すれば、エネルギー、特に、電力の使用を大幅に削減できることを実証しようとここ1年試み、これまでのデータでは60%の削減に成功している。
その方式は、既存の建物全体をガラスの板で囲ってしまい、ガラス板と元の建物の間の空間にある空気を基本的に自然循環させることによって外から熱が侵入するのを阻止する。内側の建物の窓ガラスは複層ガラス、壁には十分な断熱を施してある。屋上には太陽光発電が設置されている。照明は高周波発光の高効率の蛍光灯(LEDではない)、そして2階建てのフロアーは各階隔壁のないオープンフロアーにし、壁面を白にすることによって窓からの光だけでも十分明るさが確保できるように設計してある。ガラス板と建物の間にはブラインドがあって、必要であれば太陽の直射を遮ることができるようになっている。これによって空調負荷が下がり、空調機の大きさを小さくできたために、契約電力量を引き下げることもできたために、電気代の支払額の基本料も少なくなったそうだ。
この建物に入ってまず感じたのは、静粛性だった。すぐ傍を広い道路が走っていて、通過自動車両も多いのだが、その音は殆ど入ってこない。自分のいつもの話し声で話すと、部屋全体に響くように大きく感じる。声をしぼらないといけないのだ。太陽で暖まった空気は自然循環で移動するために建物に接する温度が平準化され、建物内に入る熱の量は引き下げられる。この方式での実績を踏まえて、このシステムを外販する構想だが、この消費エネルギー削減効果の高さを見ると、応用される事業分野を選べば商品価値は高いだろう。
ここの会社のURLは http://www.device-inc.com/