効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■インドの潮汐発電の動向

 インドがこれまで着工を検討していた潮汐発電をコスト高と言うことで諦めるに至ったようだ。インドは75,000kmほどの長い沿岸距離があり、干満を利用した発電の適地は多いと考えられていた。そこで2011年に5万キロワット規模の潮汐発電を設置する方向で検討を始めていた。2014年に発電可能量を推定したところ、12,455MWはあるという結果もあり、適地と考えられる海域を選んで潮汐発電プラントの建設を計画し始めたのだが、結局コストが高くなりすぎてインドでは実プラントの建設ができないという決定になったようだ。

 世界的に見ても、潮汐発電の総量は大きくはなく、韓国の50万キロワットが最大規模となっているとのことだ。英国では実証試験が行われてきたが、実用設備が設置されたということはまだ聞いていない。日本では潮汐発電よりも潮流発電の実証に力が入っているようだが、これもおそらく発電コストが、太陽光や風力発電のコストにまで下がっていないのだと推定される。潮汐発電も潮流発電も単機の発電規模を大きくすることが難しいのだが、まとまった規模にするために沿岸部に多くの発電設備を設置することは、漁業者が反対するだろうし、陸上に受電設備も作らなくてはならず、制約条件も多いのだろう。

 インドが諦めた原因のコストだが、他の再エネ発電方式のコストとどれほど差があるのかは、この報道記事には出ていない。だが、計画がかなり具体的な段階にまで進展していたようだから、将来の可能性としてどこかに設置するという方向に行かなかったのは残念なことだと思う。