効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■送電作業員の減少基調続く

 今日電気新聞から来たメールサマリーで知ったことだが、送電線建設技術研究会(理事長=松山彰・シーテック社長)がまとめた調査報告書によると、鉄塔組み立て・架線工事に従事する高所作業員数は2019年9月1日時点で前年比4%減の5758人となったという。日本の停電の少なさは世界でも抜きんでているが、それを支えている一つの重要条件が、送配電線の維持管理と新設が適切になされていることだ。維持管理に必要なものは、機材だけではなく、熟練した技能を持つ作業員の育成と維持が欠かせない。だが、架空配線の建設と維持管理には高所作業が避けられない。危険と隣り合わせの仕事だ。高所作業というだけでなく、時には電気が通っている活線への作業をするときには、感電のリスクもある。規準に沿った作業を高所で的確に行える作業員がどれほど大切に育てられ処遇されているかについて知識はないが、どうしても日本の企業組織の中では現場作業員として扱われていて社会的な認知度も低いのではないかと思える。

 この送配電設備部門でも、ドローンや作業ロボットを使えるようにする技術開発が始まっているようだが、少子高齢化が進む中で、作業をする人の手作業への依存度を下げるまでには至っていない。早急に技術開発を進めて、送電関連の作業には高度な技術を操作できる人材でなければならないという人事評価の裏付けができる仕事の領域を増やすことによって、若者に魅力的な職場だと受け入れて貰えなければ、作業員の数は年々減っていくのではないだろうか。日本の信頼性の高い電力供給レベルが下がらないように願うばかりだ。