効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

潮流発電

海に囲まれている日本の沿岸距離は内陸面積に比べて大きい。しかも島が多く散在するから、潮流発電が実用化されないかと思っていたところ、東北大などの研究者が、潮の流れを生かして電気を生む「潮流発電」が日本で採算が合う可能性があるとの調査結果をこのほどとりまとめたと報じられている。海外メーカーの機材を国内の海峡で稼働した場合のコストを試算し、淡路島と四国の間の鳴門海峡では1キロワット時の電気を6円で生み出せるなどの推計値を出したらしい。このコストには設置企業の利益や漁業者への補償などの費用を含まず、実際には試算値よりも高くなるらしい。それでも現状の制度を考えると、潮流発電は既存の再生可能エネルギーに採算面で匹敵する可能性があるということだ。鳴門海峡のほか、瀬戸内海の来島海峡ならば1キロワット時の電気を8円、本州と九州を隔てる関門海峡ならば10円で生み出せるという結果が出た。一方で、東北の津軽海峡など流速が遅い海峡では費用がかかりすぎ、実現の可能性は低いという。潮の満ち引きを利用する潮流発電は太陽光や風力と比べ気象に左右されにくく安定した発電が見込める。国内では研究開発段階だが、欧州では実証から商業化段階へ移行しつつあるという。規模の小さい物も対象にすれば、日本にも適地は多いのではないだろうか。