日本が本格的に洋上風力発電の拡充に力を入れ始めた。和歌山県が2月17日、自然環境の観点から、洋上風力発電事業を検討することに適した海域と、事業推進に慎重となるべき海域を示した「ゾーニング」実施へ、ゾーニングの手法・考え方や事業適地を示した報告書(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)を開始した。洋上風力発電についても、陸上風力発電と同様に、自然環境や生態系、景観等への影響や、漁業、船舶の航行といった先行利用への影響が懸念されることから、その導入に当たっては、地域の事情を踏まえて検討される必要がある。そこで、同県では、事業可能性のある風況が良い海域について、自然環境の観点からゾーニングを実施し、あらかじめ県の考え方を示していくことで、将来の洋上風力発電の適正な立地に役立てていきたい考え。そのため、2018年度から2019年度は、景観や鳥類・生物の情報、騒音の影響などについて調査し、ゾーニングを行うこととした。
1月初めに報じられたものだが、経済産業省と国土交通省は、洋上風力発電の導入拡大を目的とした再生可能エネルギー海域利用法に基づき、長崎県五島市沖を「促進区域」に昨年12月27日に指定した。優先的に設備を設置できるよう一般海域の占用を30年にわたって認めるもので、国による指定は全国で初めて。今後、発電事業者が公募によって選ばれる。秋田県では、丸紅など13社が計画していた洋上風力発電プロジェクトの事業化を決めたと1月末に報じられている。2022年秋にも稼働する。国内の洋上風力発電設備では初めて本格的な商用運転となる。合計で出力14万キロワットにおよぶ33基の風車を2カ所に分けて設置する。総事業費は約1000億円。
これらは全て海底設置型のものだろうが、将来的には浮体式のものが設置されるようになるだろう。浮体式は海底設置型に比べてコスト高だと言われるが、世界で行われているプロジェクトでのコストなどが知りたかったが、今日報じられたことから、ヒントが得られた。三菱商事と中部電力は27日、英国の東部沖120キロメートルで運転する約120万キロワットの洋上風力発電所を巡り、海底送電線の運営事業の優先交渉権を取得したと発表した。運転中の送電線と変電設備の資産規模は約1700億円だということだ。上の長崎県のプロジェクトでは、14万キロワットで約1,000億円であるのに対して、英国では120万キロワットで1,700億円。
英国のキロワット当たり事業費は長崎のものが驚くほど高い。この差はどこから来るものなのか。英国では120キロメートル沖合だが、長崎ではその10分の一くらいの距離ではなかろうか。海底電線のコストは英国の方が高いのだが、設置コストが長崎は大きいのかも知れない。発電設備自体には大きなコスト差はないと思うが、どうしてこのような差が出るのだろうか。日本の洋上風力発電の設備コストが今後どれほど下がる想定になっているかも知りたいところだ。。
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