効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■アイシン精機 インドでバイオエネルギーシステムを普及させる

インドは2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーで賄うという政府目標を立てており、関連ビジネスに注目が集まっている。インドで再生可能エネルギーへの関心が高まる理由として、地球温暖化など世界全体の環境に対する問題意識に加え、国内や身近な地域の大気・環境汚染といった問題も挙げられる。その両方の目的を達成できる事業として、アイシン精機が南部カルナータカ州の州都ベンガルール近郊の民間農場でバイオエネルギーシステムの実証実験をしているということだ。JETROのレポートの引用。

インドの2018年のエネルギー生産量をみると、56%が石炭火力で、再生可能エネルギーは22%にとどまっている。その中で最も大きな割合を占めるのが風力発電(45%)で、それに太陽光発電(37%)が続いている。ベンガルールを含むインドの大都市圏では、自動車による大気汚染や廃棄物による河川の汚染が深刻になっており、環境問題は市民が日々直面する大きな問題であるし、今後の経済発展に伴って、エネルギー消費量は年々増えていくことが予想され、インド政府としても、環境保全と経済成長を同時に達成できるような取り組みの推進が不可欠になっている。

風力、太陽エネルギーの利用は急速に拡大してはいるが、地域の環境問題対応としてフードロスや家畜のふん尿などの有機物を利用して、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを削減し、エネルギーを生み出すことができるバイオ燃料技術がインドでも注目されている。このバイオエネルギーシステムについて、ベンガルール郊外で実証実験を行っているのがアイシン精機。同社は自動車部品の製造を主な事業とするが、新規事業として、自動車部品製造で培った技術力を生かした小型ガス発電機を製造しており、この発電機を活用して、家畜のふん尿を主な原料とするバイオガスシステムを開発している。

2021年からの本格市場参入を目指す同社のシステムは、農家が廃棄に困っていた家畜のふん尿を処理できるだけでなく、ふん尿から出るメタンガスなどが空気中に排出されることを抑えながら、電力供給が十分でない農村エリアで自家発電もできるという、まさにインドならではの課題を解決するものだ。牛のふん尿1トンから40立方メートルのバイオガスを集め、2つの発電機を利用したプロジェクトサイトでは、最終的に1日当たり1,500ワット時程度の発電が可能となる。また、生成したバイオガスは、そのまま調理用のガスとしても使用することができ、農場で働く人々が利用している。さらに、ガスを取り出した後に残るスラリー(泥しょう)も農業用の肥料として利用できる。実証実験場では、この肥料を使って野菜も栽培しており、これにより野菜の生育が良くなったという。

これが定着するには、地域にこのシステムを保全できる人材を育てることが必要となるだろう。バイオガスには不純物も多く含まれるから、絶えず手入れをしなくてはならない。太陽光発電などとは違って手間がかかるのを克服してどのように定着させるかが課題だろう。

 

 

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