効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ユーグレナ、南米でミドリムシ量産

 バイオスタートアップのユーグレナ伊藤忠商事と組み、藻の一種であるミドリムシの量産に乗り出すと報じられている。東大発のベンチャーだが、発足してからかなりの年数もたって、スタートアップという言い方には馴染めないものがある。しかし、大きな目標は航空機などのバイオ燃料ミドリムシユーグレナ)から作ろうというところにあるが、当面の事業として化粧品や健康食品の製造でそれなりに動いてはいる。だが、燃料にするだけのミドリムシ培養をするためには、太陽を十分受けることの出来る大きな敷地に培養池を作り、そこに油化設備を建設しなければならないが、現在は沖縄県石垣島で年に約160トンのミドリムシの生産にとどまっていた。伊藤忠は08年からユーグレナに資本参加している。

 南米のコロンビアで4~5年後をめどに試験プラントを稼働させて順次設備を拡張し、年に数万トン規模の生産を目指している。ミドリムシを安定的に大量生産し、航空機の二酸化炭素(CO2)排出量削減で期待されるバイオ燃料としての利用に道を開く一歩を踏み出したようだ。ミドリムシは水と太陽光があれば培養できる。光合成の原理でCO2を吸収し、環境負荷の軽減にも貢献する。最適な生育環境なら1日で2倍に増え、トウモロコシなどのバイオ燃料に比べて短期間に生産できる効率の高さが注目されている。11月から米資源大手ドラモンド社がコロンビアにもつ炭鉱跡地を活用し培養試験を始めた。試験結果が良好なら2020年代後半をめどに商用生産を始める計画らしい。

 ユーグレナ伊藤忠は、商用生産開始から当面は養殖魚向け飼料として販売し、売り上げ規模は数十億円を見込む。量産体制が整えば、全体重量の2~3割をジェット燃料として抽出し、その残りを飼料とする計画。伊藤忠がサポートすることになったことで資金手当の難しさは軽減されているだろうが、規模の大きいプロジェクトが利益を出すまでにはかなりの年数がかかるだろう。だが、ミドリムシ由来のバイオ燃料は、軽油に近い性質で、ディーゼル燃料やジェット燃料に向いている。10月にカナダで開かれた国際民間航空機関の総会では国際航空分野のCO2削減を進めるため、バイオ燃料の活用が合意されているから、市場は次第に具体的な姿を見せるようになっている。成功してほしいものだ。

 

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