効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

韓国の洋上風力発電開発

韓国が再生可能エネルギーの導入、それに伴うスマートグリッドの実現に力を注いでいることは述べたことがある。韓国電力は政府の主導の下、合計250万キロワット規模の洋上風力発電所を建設する計画に着手した。韓国西海岸の洋上に気象観測塔を設置して、詳細な海域観測を実施するという。
計画では、2011〜19年に西海岸の扶安地域と霊光地域の洋上に、風力発電所と全長80キロメートルの直流高圧送電線などを設置する。13年までの第1期では、5千キロワットの風車を20基で構成される10マンキロワット規模の実証プラントと全長22キロメートルの交流高圧送電線を建設することになっている。
交流と直流を混用している。海底を走る送電線の距離が長くなると直流でないと損失が大きくなるのだが、22キロであれば建設コストと送電損失を考慮すると、交流の方がペイするのだろうか。
欧州では北海の風力発電用に80万キロワット容量の直流高圧海底送電線が敷設されつつある。北海に大量の洋上風力発電が建設されるのに備えて、陸上まで効率的に送電するためだ。
日本では研究しているということはよく聞くが、韓国のような具体的な計画があるとは聞かない。洋上風力を建設しにくいという理由ばかりが聞こえてくるが、どこまで本当なのか分からない。沿岸部の風力潜在量は大きいのだが、それを発電に利用するのについて、世界の中でこれほど臆病な国はないと思う。そのつもりになれば原発より遙かに早く建設できるプラントなのだから、障壁を越えさせる国の戦略が必要なのではないか。