効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の洋上風力発電

英国の洋上風力発電の建設・運用を行う会社のCEOが日本からの投資を求めて来日しているそうだ。スコットランド沖に456,000kWのウインドファームの建設認可を得て、その建設に必要な資金800万ポンド(11億5千万円)を調達する一環として日本の企業に誘いを掛けている。この発電設備は2015年に稼働を開始する予定。スコットランド沖は風がよく吹く地域だと聞いている。風力発電機はいつも発電能力を出せるわけではなく、平均すると設備能力の20%程度が普通なのだが、この地域であれば30%を超えるかもしれない。沿岸から洋上風力発電所までの距離も送電線の投資に関係するが、この投資額を全部風力発電事業者が負担するのかどうか知りたいところだ。また、これに日本企業が投資すれば環境クレジットを獲得できるのだろうか。
英国も含めて欧州諸国は洋上風力発電にシフトしつつある。陸上で建設できるところが少なくなっているからだ。洋上の場合一基の発電容量を大きくしても周辺への影響が少ない。最近では一基5千キロワットクラスのものも開発されていると聞く。ただ海底に基礎を作って翼を支える柱を立てなくてはならない。もし海底が深いところにあると、浮体に取り付けることも考えなくてはならない。英国の場合には遠浅の海域が多いために、また、石油掘削技術を応用できるために、海底から柱を立てるのがやりやすいと聞く。
これだけの規模のものが電力需要の少ない真夜中に風が吹いて発電したときに、これを受け入れる電力系統の安定性に支障は出ないだろうか。英国の電力会社も系統管理が難しくなっているとは聞くが、日本のように上限を決めている様子はない。また大型蓄電池で変動を吸収するという話も聞かない。英国の場合昔は公営の電力会社1社が全部を管理していたから、全土を貫く高圧送電線があるために、地域の火力発電所の発電を少なくするだけでは吸収できない分は遠隔地へ送電できるようになっているのだろう。電力会社が地域割りになって独立している日本ではそれができないのが大きな課題だ。