効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■2019年のCO2排出量横這い

 IEAが2月11日に発表した報告書によると、2019年に、これまで毎年増加を続けてきた世界の炭酸ガス排出量が初めて横這いになったということだ。2019年もそれまでと変わらぬ増加をすると想定されてきたのが横這いだが、これがその1年間に留まるか、それとも引き続いて今年も減少するかによって、今後の対応が大きく変わることになるかも知れない。2019年の世界の経済は2.9%の成長をしたにも拘わらず、CO2排出量は33ギガトンの横這いだった。その主たる理由は、先進国での発電部門での排出量が減少したことにある。太陽光と風力発電からの電力量が増加し、火力発電の燃料が石炭から天然ガスに移行し、原子力発電の稼働量が増えた、などが貢献している。他の要因として言えるのは、気候が安定していた国があったこと、途上国で経済成長が低迷した国があったことなどがあるようだ。

 IEAの幹部は、今後取り組まなければいけないことは、これからの歴史の中で、2019年がCO2排出量が最大だった年として語られるようにすることで、それを可能にする技術は既に開発されているから、それをどれほど有効に利用するかにかかっている、と述べたという。国単位で見て最大の低下を見せたのは米国で、1億4千万トン、2.9%の減。EUは1億6千万トン、5%の減だが、石炭が天然ガスに変わったのが大きく貢献している。また、風力発電が石炭火力の発電量とほぼ同じまで増加したこともある。日本は4,500万トン、4%ほどの減少。2009年から見ると最大の減少となる。それには、原発の再稼働が増えてきたことが貢献している。一方、これらの国を除くと、他の諸国全体では2019年に4億トン近くの増加が見られる。その内の80%はアジア諸国に見られ、石炭火力が多いことが原因となっている。

 全体で見ると、発電部門からのCO2排出量は1980年代末に見られたものと同じレベルとなっている。その当時、発電量は現在の3分の2程しかなかった。その後、先進国での発電が、石炭から再エネに振り替わっている。先進国の石炭火力はほぼ15%減少している。これからの課題は、この横這いを見て、CO2排出削減に楽観的になってしまうことだとIEAは戒めている。IEAはこの6月に世界のエネルギー見通しを出す予定になっており、2030年迄にCO2排出量を3分の一削減させる方策を示すと報じられている。

 

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