効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■発酵からのCO2を野菜などの育成に

 ワシントンポストの記事で見たのだが、コロラド州にあるビール醸造会社が、酵母が発酵する過程ででるCO2を回収し、同州で認可されているマリファナ育成用の温室に供給して、成功を納めているということだ。ビールだけでなく、酒にしろワインにしろ、味噌も醤油など、発酵過程を含む食品は多い。このような醸造業から生み出されるCO2の量は、世界的な量を見ると、幾つもの石炭火力発電からのものから出るCO2と同じ位になるらしい。マリファナというのには引っかかるところがあるが、基本的に温室栽培の部屋に醸造業が回収したCO2を放散すると、そこで栽培される野菜などの育成は極めて良くなるし、CO2は再利用されて価値を生むものとなる。

 このCO2の回収には発酵槽から出たガスを冷却して作るらしい。化学工業や火力発電所の排ガスと違って低温のものだから、そのままパイプで冷却装置に入れ液化させる。これをタンクに入れて近在の温室に配送することは難しいことではない。温室栽培農家は、この液化炭酸ガスを少しずつ取り出し加熱してやれば、温室内に拡散するのだが、大掛かりな装置が必要となるわけでもない。拡散量の管理さえきっちりやれば、中に育つ野菜などもハッピーだろう。

 日本の醸造業でこのような試みをしているのはまだ聞いたことがないが、それほど高度な技術を必要とするものではなさそうだし、小規模な醸造業にも利用できるようだから、一度実証テストをやってみてはどうだろうか。それによって醸造業のイメージも上がるし、温室に売ることで収益が出れば、どこでも可能となるかも知れない。

 最近都市部で温室栽培がLED照明を管理して行われている事例がよく報じられているが、これにCO2を供給してやれば、収穫量も質も格段に上がるに違いない。このような方式が普及すれば、無視できない量のCO2の回収利用ができることになり、市場が大きくなれば、火力発電設備からの排ガスから回収したCO2が利用できるほどの量になる可能性があるかもしれない。まず醸造業からのCO2排出量のデータを調べないといけないが、普通の統計資料にはないだろうから、難しいとは思うが、地球温暖化防止策の方向を探るということに意気を感じてやってみることにしよう。

 

-------------

猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form