効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■インドの石炭火力

  IEAが今週出した2019年のCO2排出に関する報告書で、インドの2019年の石炭火力発電が1973年以来初めて発電量が下がったとしている。その理由は、経済状況が良くないための電力需要低下と、再生可能エネルギーの伸びが大きかったことによるとしている。それによって炭酸ガス排出量も僅かながら減少したようだ。その低下量は前年の同時期に比べて3%の減少だとしている。工業生産が停滞したのに加えて、大規模なモンスーンが襲来したことも影響している。これは火力発電のロードファクターにも影響し、昨年の4月から12月までで56%となり、前年同期の60%からの下落となる。2019年全体で見ると、2018年同期の61%から57%に下落している。

 インド発電公社によると、火力、水力、原子力といった従来型の発電は、2019年4月から12月の間、前年同期と比較してほぼフラットな発電をしていた。その中で水力と原発の発電量が増えたために、火力発電の発電量が抑制され、特に石炭にシワ寄せがいったとしている。水力が16%、原子力が25%増え、再エネ電力も6%増加している。2019年11月までで見ると、火力発電の設備容量はインド全体の63%を占め、それに続くのが再エネで23%。水力が12.43%、原発が2%となっている。

 昨年4月から11月までの実発電量で見ると、火力から73.25%、それに次ぐのが水力の13%、風力が5.33%、原発が3.38%、太陽光が3%になっている。比較対象の期間が同じではないようなので、分かりにくいが、インドの発電電力の中に占める炭酸ガスを出さない発電設備からの電力の比率が大きくなっているということのようだ。

 この発電動向を見ると、インドの再エネ設備の増加が大きいお陰で石炭火力の稼働を落としても需要を賄えるようになったということだ。炭酸ガス排出を抑制しようとする世界の動きに、インドも加わりやすくなったと言えるだろう。再エネ設備の絶対量で見れば、インドは大きなものを持っているし、これからも加速的に再エネが増えるだろう。それによって、火力発電の発電量が抑制されるというのを、日本も見倣う必要があるだろう。

 

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