効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ドイツで石炭火力代替法

ドイツは2038年までに石炭火力を全廃する方針を出している。ドイツの石炭産業はその規模が大きいが、主として褐炭という品質のわるいものが主体であるために地球温暖化ガスの排出量も多いことからこのようになっているのだが、これは石炭火力に職場を持つ人の働く場所がなくなるということで、社会的な影響は大きい。それに対応するものとして、興味ある方式が考えられている。

それは石炭火力のボイラーを高温で溶融する塩類を詰めたものに置き換え、それを風力や太陽光といった再エネから発電した電力で加熱して溶融させ、その高温で高圧蒸気を発生させて、既設の蒸気タービンを使って発電するというもの。もともとこの方式は、集光型太陽熱発電に使われてきた方式で、熱として太陽エネルギーを保存し、夜に発電させようとするもので、実用化されている。これを石炭火力の石炭の代わりに高温溶融塩を使おうとするものだ。ただ、この方式にすると全体の効率は大きく下がる。しかし、火力発電所の設備は大半が再利用できるために、雇用はほとんど失われない。これを設置するとすれば、3年ほどで可能だと言うが、発電コストはかなり上がることになるものの、CO2の排出は殆どゼロとなる。

これに発電事業者は関心を示しているようだが、エネルギー政策としてこれが推進されるかどうかは不透明だという。今後の展開次第では、世界に拡がる方式になるかも知れない。