南オーストラリアで大規模な山火事が拡がり、そこの棲息するコアラが大量に死んでしまったということは最近日本でも報じられている。やけどを負ったコアラを助けようとしたが、結局は安楽死させたということも聞く。大量の樹木が消失し､その多くがコアラの食料であったことから､コアラが絶滅するかも知れないとまで言われている。
山火事と言えば､カリフォルニアでも大規模な山火事が起きて、住宅地帯を襲い、多数の人的物的被害が出た。その原因は高圧電線が樹木に接触して発生した火花にあるとして、電力会社PG＆Eに大量の訴訟が起こされ、破産手続が進んでいる。これと同じことがオーストラリアで起きなかったのかと思っていたが、送電線が消失して、一部の地域で停電が起きるということはあったようだ。しかし、もっと他の原因で停電が起きている。摂氏50度ほどという異常な高温と、乾燥が襲い､冷房用の電力消費が急増して発電が追いつかず、広域停電になったのだそうだ。異常な高温と乾燥は昨年にも見られ、明らかに気候変動が定着しているとされている。オーストラリアで、高温と低湿度が同時に起こったことはこれまでなかったそうだから、異常気象であることは確かだろう。オーストラリアだけでなく、世界に対する気候変動への警鐘だと言われるようになっているとのことだ。
冷房向け電力需要の急増を避けるために、電力会社は冷房を早めに入れて部屋を十分冷やし、もっとも暑い時間帯には冷房を止めるように要請している。オーストラリアでは既に殆どの需要家にスマートメーターが設置されているため、このように冷房時間をずらすと電力会社にも判別できるために、この方式に対応した需要家の電気料金を下げるという奨励策をとり、停電を回避しようとしているようだ。その成果は出ているようで、停電は大きく減少しているそうだ。日本でもこのような方法が採用されることになるかも知れない。
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