効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

寒波に襲われた関東の電力需給

昨日東京が大雪に覆われたニュースが報じられた。奈良市内ではほとんど雪は降らなかったのだが、東京の混乱状況は想像以上のものだった。あちこちで電線に積もった雪などが原因となる停電もあったようだ。この日、東京電力は節電要請を出したと報じられている。同社管内の電力需給が同日夕方に「厳しい」と判断する水準になったと明らかにしたという内容だ。これには単に気温が下がったからというだけではない要因がある。クーラーという単語から分かるように、昔の電気空調機は冷房専用だった。だから、その普及と共に夏の電力需要が大きく伸びて、節電要請を出すほどになったのだが、冷暖共用の電気空調機が急速に普及したために、電力需要が夏だけでなく冬にもピークを示すようになっていた。その冬のピークが大雪で増幅されたのだ。電力需要が供給量を上回ると大規模停電の可能性が出てくる。発電設備の使用率が97%を超えると電力会社は他の電力会社からの電力融通などでトラブルを回避するという説明がなされているが、今では電力融通は必ずしもこの数字を目安にしては居ないはずだ。しかし、節電要請を出したということは、融通が他の電力会社から円滑に行われなかったのだろうか。日本全体が寒波に襲われていたということもその理由の1つかも知れないが、このような融通が卸電力市場を経由しないで行われるところに課題があるのかもしれない。卸電力市場で高い価格で電力を調達すれば、それに対応した融通ができたのではないかと思う。