効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■シェルが再エネ目標を達成できず

 英国のガーディアン紙が今日報じたことだが、これまでRoyal Dutch/Shell社が掲げてきた再エネに対する投資目標が大きく下回ることになっているということだ。石油業界の中でもっとも再エネ事業への投資に重きを置いていると理解していただけに、その投資額がこの2016年から2020年末迄に40~60億ドルという、これまで掲げてきた額を大きく下回る20億ドルにしかならない可能性が高いらしい。2016年に新エネルギー事業部を新設して高い投資計画を示していたのだが、その達成が極めて難しくなっている。シェルは2019年末までに30億ドルの投資を行っているはずだった。しかも、化石燃料事業への投資は同じ期間で1,200億ドルと、当初計画より300億ドル増大していることから、シェルの低炭素事業方針は社会を欺くものになるとも言われている。

 世界の5大石油事業であるShell, BP, Total, Eni and Equinorは、これまでに55億ドルを再エネ事業に投資してきている。だが、この額は、全体の投資額から見ると1%以下という微々たるものに過ぎない。気候変動に石油事業が対応するという期待が大きくしぼんでしまうだろう。シェルは2019年、再エネプロジェクトを推進するオランダのEneco社を買収して計画をいくらかでも達成しようとしたのだが、この会社を最終的に買収したのは三菱商事が率いる投資コンソーシアムで、その額は45億ドルであり、シェルは競り負けたのだった。シェルはこれまでにも英国、オーストラリアの再エネ事業を買収してきたのだが、その総額が計画には大きく満たない結果となったもののようだ。

 日本でも再エネ関連事業の拡大を唱う事業者は多いが、シェルと同じような罠にはまってしまうところが続出するかも知れない。日本の再エネ事業はこれから拡大が要請されているが、その事業性に疑問が出るものも多いようだから、結果として世間を騙す結果となる可能性は高いだろう。

 

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