今年の4月10日に、重いコンクリートの塊を6本のクレーンで上下させることで、充放電を行う蓄電装置の開発をしているEnergy Vault社の蓄電システムを紹介した。今日インドからの情報として入ってきたのが、このシステムにソフトバンクが設立したビションファンドがこの実用化に向けて1億1千万ドルの投資をするということだ。インドは再生可能エネルギーの急速な拡充を進めているが、その時にどうしても変動する再エネ電源の出力を制御するために何らかの形の蓄電をしなければならない。世界で現在もっとく普及しているのがリチウムイオン電池を使った大型蓄電池だが、最近急速に価格が下がっているとはいえ、インドにとっての負担は大きく、再エネプロジェクト推進の課題となっていた。
この重力を使って充放電する方式は、蓄電量も放電時間もリチウムイオン電池によるものより再エネの変動吸収に適合性が高い。また特殊な素材を使わないために、予想される設備コストは大幅に下がると想定されている。だが、大きな課題が残っていた。それは、全体を制御するシステムが複雑で、開発に必要な時間と資金がまだ必要だったのだ。幾つものファンドからの投資も貰えるようになっていたのだが、これに新たにソフトバンクが加わったというものだ。また、ソフトバンクが他のファンドと異なるのは、ソフトバンクが場所などを明らかにしていない再エネ設置プロジェクトを自ら手がけようとしているということだ。インド側から見れば、再エネ拡充というインドの政策に設備増強で手を貸してくれる事業者の懐が大きいということになる。インド政府は補助策を準備しているが、従来方式に比べると投資額が15%ほどに下がるとされるこの方式は、飛びつきたいプロジェクトだろう。
Energy Vault社はイタリーにデモプラントを設置するという情報もある。日本にとっても注目すべき蓄電方式だが、この巨大な構造物をどこに設置するかが、景観との関係で一つの課題となるかも知れない。この画像はhttps://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&p=energy+vault#mode%3Ddetail%26index%3D8%26st%3D0 で見ることができる。
猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。