効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

トランプ大統領とドイツ・ロシア間の天然ガスパイプライン

米国のトランプ大統領が、ロシアの天然ガスをドイツに輸送するパイプライン、ノルドストリーム、の敷設についてドイツに文句を付けている。だが、このパイプラインの計画はかなり前からのもので既に着工していて、間もなく完成するはず。ロシアを利するということだが、その裏には、ロシアからではなく、米国からLNG(液化天然ガス)を輸入しろと言いたいらしい。しかし、米国の天然ガスが海外へ輸出できるほどの生産が出来るようになったのは、ここ数年のこと。以前は海外から米国へLNGを輸入する基地を米国沿岸部に建設した時代もある。実に身勝手な要求だ。そして、もし欧州内の国が米国からLNGを導入すると、何かの政治的対立が起きると、米国からのLNGの輸出にいちゃもんをつけて、政治的取引の種にしようとするに違いない。
その点では日本もいちゃもんをつけられる可能性はある。ロシアからLNGを輸入しているからだ。パイプラインを建設することも検討されている。以前、英国の天然ガス事業の専門家が、日本はロシアとの取引で、政治的対立が起きたときに問題が起きると心配しているが、ロシア(その当時はソ連)は、契約した内容に反するようなことをしたことはこれまでないのだから、あまり気にしない方が良い、と言っていたことを思い出す。しかし、トランプ大統領は、日本がロシアからさらにエネルギーを輸入する計画を建てるのにはすぐ反対するだろうし、現在行われている輸入についても、制裁条件をつける可能性は否定できないように思える。日本は米国と同盟関係にあるとして安心していると足元をすくわれるかも知れない。