効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■改めてバイオマスの利用の難しさを知る

 今日午後、近畿産業経済局主催のバイオマスセミナーに出席。昼食は駅の待合室でコンビニサンドという慌ただしさ。大阪工大梅田キャンパスのセミナールームだったが、100人ほどの参加で満室。和歌山大学の吉田教授と立命館大学の橋本教授による講演の後、3つの事業体が行っているバイオマスの利活用の事例が紹介された。食品リサイクルをする日本フードエコロジーセンターの高原氏、あべのハルカスでの小型バイオガス発電について竹中工務店の加藤氏、トンネルコンポスト方式による資源化についてエコマスター社の鎌倉氏、による事例紹介は、どれも目を開かれるものばかりだった。

 その中で、少し情報を得てはいたが、詳細が分からなかった「あべのハルカス」の行っている、レストランなどから出る食品残渣をメタン発酵させる話は印象的だった。あの高層ビルの高層階から低層まで幾つもあるレストランから出る料理の残りを、袋に貯めさせずにそのまま粉砕してパイプで地下5階に設置されたバイオガスプラントでメタン発酵させ、普通なら外部に出す残滓も内部処理して再度ガス化させるという方式で外に出さず、さらに、メタンガスで直接発電するのではなく、都市ガスの天然ガスに混入して発電機の燃料にするというのもなるほどと思わされた。発酵過程から出るメタンを直接燃料にするには昇圧する必要があるのを、発電量が犠牲にはなるが、設置されたコージェネレーションの燃料である天然ガスに混入させる方式を使ったのだ。残りのメタンはボイラー燃料として温水を作っているから、発酵メタンは完全にエネルギーとして利用されている。生ゴミと発酵汚泥を全く建物外に出さないことによって、その運送、外部処理コストを省くことが出来る、自己完結のシステムになっているのには感心させられた。災害で停電した時には、水洗トイレが機能しなくなるが、汚水槽の水を自家発電で供給して、平常時の20%程度は利用できるようにもなっている。

 このシステムを考案した竹中工務店も素晴らしいが、このような世界でも最初とも言える方式を採用したハルカスの運営会社の幹部の判断も高く評価できる。ともすれば、安全サイドに傾くところを、この高層ビルの一つのシンボルにまでした経営判断には恐れ入ったという感じだ。

-------------

猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form