効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■洋上風力発電向けの基礎を水圧で圧入

 洋上風力発電は、国土が狭いが海域に囲まれている日本の場合、これから拡充が期待されているが、遠浅の海が少ないために、浮体式に重点が置かれる方向に向かっている。この場合、風力発電本体を載せるタワーの建設にコストがかかるために、普及には時間がかかると思っていた。そこへこのほど大林組が、水圧を利用して海底に基礎を打ち込む技術の実証試験に成功したという発表を見た。コストのかなりの引き下げができる可能性があると受け止めている。

 風車の構造形式は、比較的水深が浅い場合に適している「着床式」と、深い場合に適している「浮体式」に分別され、着床式では風車の支柱が海底まで到達しており、浮体式では風車自体が海洋に浮いている。大林組では着床式の技術開発において、実大規模の「スカートサクション」を洋上に設置、撤去し、洋上風車基礎の適合性実証を行った。浮体式においては、「テンションレグプラットフォーム型 浮体式洋上風力発電施設」というコンクリート製浮体を海底地盤に緊張係留する技術により一般財団法人日本海事協会(Class NK)からの設計基本承認を取得したということだ。

 スカートサクションは、頂版と、頂版から下方に伸びた円筒形の鉛直壁(スカート)で構成されており、スカート内からの排水によって発生する水圧を利用して海底地盤に貫入させる方式。推察だが、深いほど圧入するスカートの力は大きくなるのだろう。これまで、海上からパイルを叩き込むというイメージしかなかったが、水圧が構造物を海底に押し込むだけの力を与えるということに驚かされた。着床式であるモノパイルやジャケットの杭を打設する際に用いる大型の機械が不要となり、無振動・無騒音で基礎の施工が可能になるのも大きなメリットだろう。

 浮体式の場合には、海中に浮体構造を海底に係留し、そこから基礎に数本のロープで固定するが、そのための基礎がこの工法で圧入される。占有する海洋面積が少なくて済むと言うことだ。

 この技術によって、日本の洋上風力発電の建設コストが下がれば、日本のエネルギー暗線補償にも貢献するし、技術輸出にもつながってほしいと思わされる。

イメージがすぐには湧かないので、発表資料の写真を拝借した。

 

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