効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■石垣島に牛ふんによるバイオ発電

 機械メーカーのテクノシステム(横浜市)は牛のふんを使ったバイオマス発電所沖縄県石垣市に建設すると報じられている。投資額は15億円で、2020年8月の発電開始を目指すとしている。発電能力は約550キロワットで、1300世帯の消費量に相当する。牛ふんを大型のタンクに集めて1カ月以上かけて発酵させ、取り出したメタンガスを燃焼して発電する。タンクはオランダ製で、1日あたり約2500頭分の牛ふんを処理できる。ふんは周辺の農場などから提供してもらい、ガスを取り出した後の廃棄物は肥料として農場に提供するという。ブランド和牛「石垣牛」の需要が高まっているが、悪臭のする牛ふんの処理が課題となっていた。農家はこれまで排せつ物を有料で処分していたため、テクノシステムは当面無償で引き取り地域への浸透を図るという。発電した電気は固定価格買い取り制度(FIT)により1キロワット時39円で20年間、沖縄電力に販売する。

 石垣島の電力系統は沖縄本土とは結ばれていないために、ガスタービン発電が1万キロワットあるが、残りの68,000キロワットはディーゼルエンジンによる発電設備で電力を供給している。おそらく発電コストは高くなるが、沖縄電力の領域として沖縄本土と同じ料金になっているはずで、沖縄電力としては収益性の低い地域だと思う。牛ふんを発酵させてメタンガスを発生させるのは、原料である牛ふんの持ち込みなどにも結構手間がかかり、時間とコストが課題となるが、FITで何とか事業性が出るのだろう。メタンガスを採取した後には残滓が出るが、これを肥料として周辺の農家に供給するということだ。しかしこれも北海道での事例のように、長期間継続すると肥料の偏りが生まれて、使える量を減らさなければならなくなるかも知れない。離島であるだけに、肥料として他の地域に移動させるのは難しいから、肥料として使い切れなくなったときのことも考えておかなければならないだろう。また、太陽光発電風力発電も設置され始めているようだから、すぐではないにしろ、出力抑制を求められるかも知れない。

 これが順調に事業として運用されることが実証されれば、畜産の盛んな地域には参考となる事業となる。500キロワット程度のものであれば、系統の大きい本土であれば、常時フル稼働しても系統の安定性に問題は出ないだろうし、系統を経由はするがどこかの工場などに再生可能エネルギーとして販売できるかも知れない。

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