効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北本連系線のさらなる増強

北海道と本土を結ぶ直流連系線の容量が、現在60万キロワットで、以前からこれが北海道を孤立させているとして増強が叫ばれ、現在これに高圧直流30万キロワットを上乗せする工事が進んでいる。60万キロワットは海底電線で結ぶ高圧直流だが、上乗せは青函トンネルの側道を利用して敷設していると聞いている。もともとの60万キロワットも確か二系統に分離されているはずで、その一つが船の錨に引っかけられて停止したこともある。
今回の北海道全体に停電が起こったことで、本土からの電力融通量が絶対的に不足していたことが一つの原因ではないかという判断もあり、経産省はこの増強をさらに規模を大きくする方向に向けて検討を開始したそうだ。今回の広域停電は、震源地の直近にあった供給量の半分を担っていた火力発電所がダメージを受けたことが最大の原因だから、同じことが再度起きるとは必ずしも言えないが、日本全体の送電系統を強化し、かつ、北海道には大規模な風力発電を受け入れることができる量を増やすためにも北本連系線の増強は必要だろう。
もう一つ増強が必要なのが、東京電力中部電力の間を境にして、異なった周波数を持つ東西の地域を結ぶ交直変換系統の容量だ。これも以前から検討され、現在の120万キロワットを200万キロワット位に増やす方向にもなっている。異なった周波数を同じ国の中で採用したのは歴史的な経過で仕方がないのだが、もっと違った発想をして、日本を縦断する高圧直流幹線を敷設することも検討すべきだと思う。陸上だけでなく海底設置も含まれ、その高圧直流を必要な箇所で交流に変換するという方式になるが、コストが大きくなることは理解できるが、その検討すらまだされていないのは、日本の電力供給の安定化が国の安全保障にも関係するだけに、問題だと思っている。