効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

九州電力と太陽光発電

九州電力は1月末現在で約600万キロワットの太陽光が連系する。電力需要が少なくなる3月の昼に空が晴れ渡ると、需要のピークを全体の発電量が超過しないように、主として揚水発電を利用して調整する。同社は調整速度の早いLNG火力と揚水で対応可能としている。1〜2時間後の太陽光出力と需要を想定しながら、軸単位で運用する火力を15分間隔で起動。太陽光出力の急減などの想定誤差には揚水で対応する。九州電力エリアの太陽光出力の想定誤差は最大300万キロワット程度に達すると報じられているが、それほど大きな誤差が出るのだろうか。日本の気象予報技術が世界で遅れているのなら仕方がないが、太陽光発電総設置量の半分に相当するほどの予測誤差があるとは信じられない。しかも、全て自社で対応しようとしているが、中国電力にはそれほど太陽光発電は設置されていないから、変動の仕方も緩やかだし、両方で対応すれば対応の難しさは小さくなるだろう。だが、中国電力発電所の稼働には影響が出るから、現在の電力システムから見ると、それに対する対価を払う必要が出るかもしれない。全国レベルでの調整制度を整備しなければなるまい。これから調整の難しさが増えるのは沖縄電力かもしれない。系統が独立しているし揚水発電規模も小さいからだ。大型蓄電装置のコストがまだ十分下がっていないのが問題だが、沖縄電力への政府補助で設置を促進するのはそれほど大きな額にはならないだろう。調整力の増強は、風力発電も併せて、再生可能エネルギーを増やすのに重要な鍵となる。