効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■トランプ大統領、選挙対策としてトウモロコシ農家を支援

 米国の環境規制は、石油精製事業者に、年間150億ガロン(約57億リットル)のエタノールを製品に混入することを義務づけている。自動車用燃料が地球温暖化を進めるのを少しでも低減するためのものだが、このエタノールはその殆どがトウモロコシから製造される。しかし、トウモロコシ農家団体は、環境保護局はこの義務づけを緩和しており、実際の混入量はこの数字よりかなり少ないとして、混入量を増やすようにとのロビー活動をしている。一方、石油精製事業者は、この混入は自動車用燃料の生産量を抑制することになるために、混入量を減らすようにロビー活動をしてきた。それに対応して環境保護局はこの8月、この義務づけを免除するという方針を出していた。

 だが、つい最近、トランプ政権は、来年にはエタノールの混入量を160億ガロンに引き上げると決めたと発表している。来年の大統領選挙対応として、トウモロコシ農家の多いアイオワ州での票を多く獲得するためのものだ。いまトウモロコシ農家は、トランプ氏の貿易施策の結果として中国への輸出が減っているために苦境に陥っているのだが、それをバイオエタノールのためのものに振り向ける効果がある。だが、これには石油精製業界からは強い反発が当然出てくるために、環境保護局は増加させるとしてもその数字を示していなかったのを、トランプ氏が、明確に数字を示すことによって、農家の支援姿勢を明確にした形になる。対立する業界が今後どのように動くかはまだ見えないが、数字を示して混入量を増やしたのだから、これを再度緩和する方向にはならないだろう。しかし、2つのロビー団体の衝突は何かの形で出てくる可能性はある。

 米国の施策の殆どがトランプ氏の選挙対応を有利にすることを目的にしたものだという印象が強く、またそれが世界経済を混乱に陥れている。来年トランプ氏が再選されないことを期待するが、それは米国民が決めることだから、落ち着かない気分となる。

 

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