英国のthe Institute for Fiscal Studies (英国のシンクタンク、IFS:財政研究機構)が、電気自動車の普及の結果、ガソリンやディーゼル油の消費が減少し、それに課されている税金の徴収額が大きく下がる可能性があり、それに代わる税源を見つける必要があるというレポートを出している。2050年迄にネットゼロ社会にするという目標は、ガソリン税などがゼロになることを意味し、それに代わるものとして、自動車の運行に依存する新しい税を導入する必要があるというものだ。労働党と保守党の両政党が、燃料税をインフレ率に沿って上げることはしないと決めたことによって、1999-2000年に国民所得内でピークとなった2.2%が1.3%にまで下がっている。これは年間の燃料関連税収190万ポンドを失ったことに相当するらしい。IFSはこれに代わる税源を何かの形で作り出す必要があるとしている。
それは道路を走る車に課税するということだが、混雑している道路を走る車に課税するという方式があり、混雑している道路には高く、空いている道路の利用への課税を低くするという方式もあるが、実際にこの方式を具体化するには、自動車ユーザーに納得して貰うのが難しい。そこで、このレポートで具体策として推奨しているのは、自動車の走行距離に応じて課税するというものだ。標準走行距離当たりの税金を同じにして、長い距離を走る車からの税収が多くなるようにするとのことだ。そして、この方式を早く制度化しなければ、いま税制優遇を受けている電気自動車やハイブリッド車が普及すると、車にかかる税金が安いという意識が定着した後に、走行距離へ課税するのが政治的に難しくなると考えている。
日本でこのような税収の問題が表面化するのは先の話ではあろうが、英国がこのレポートのような対応策をとるとすれば、先行事例として非常に参考となるだろう。米国のカリフォルニア州などでどのような対応をするのかも調べる必要がある。今後の課題だ。
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