効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■風を利用する輸送船

 風の力を利用するのは古代から延々と続いてきた。最初は多分小さな船に帆を立てたものだったろう。最近では風力発電が急速に普及しているが、これも随分大型化してきた。その流れに沿ってとは言えないかも知れないが、商船三井が、大島造船所と組み、帆で受けた風を動力の一部とするばら積み船を2022年に就航させると発表している。まずは帆が1本のタイプで実用化し、1航海あたりの燃料消費量を5~8%減らす。新しく造るばら積み船を中心に順次採用し、タンカーなど他の種類の船への搭載も目指すということだ。一本の帆で減る燃料消費の削減量を見て驚かされている。帆の数がモデルケースの4本タイプの場合、最大3割の省エネにつながる。風の強弱によって上下に4段階で伸縮し、最も風力を生かしやすい方向に自動で回転する仕組みだ。数は今後1~8本の間で選択できるようにするというから、今後世界の船の標準になるかも知れない。特許も取っているとすれば、大きなビジネスになるかもしれない。造船コストは帆のない船に比べて上がるが、燃料消費量が減るため帆の数に関係なく10年程度で回収できるという。ばら積み船は一般的に15~20年使うため、11年目以降は同じ船齢の他の船に比べて運賃を安くできる。

 このばら積み船はエンジンの補助として風力を使っている。エンジンを駆動する燃料が削減できるから、いま国際海事機関が推進している船舶による大気汚染物質排出量の削減にも大きな役割を果たすことになる。そこで思ったのは、この新しく取り付けられる帆がどのような形のものかということだ。昔から使われている帆と似た形なのか、船から風の方向によって出し入れすることの出来るヒレのようなものかも知れない。今度は船体に太陽光発電を取り付けることが組みあわされるかも知れない。最近柔軟な構造のものも開発されているから、うまく設計すれば、船の重量をほとんど増やすことなく船体と一体構造に出来るかも知れない。船舶用燃料消費を抑制できれば、地球温暖化抑制にも大きな効果を生む。今後に期待したい分野だ。

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