効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■九州電力の再エネ出力抑制

九州電力は24日、九州の太陽光発電といった再生可能エネルギーの一部事業者に対して一時的な発電停止を求める出力制御を実施し、最大制御量は138万キロワットとこれまでで最も大きい規模になった。九電が昨年10月に全国初の本格的な出力制御を実施して以来、24日で10回目となり、今年は1月3日以来で2回目。興味があるのは、この日に現在稼動している4基の原発の出力レベルがどの程度だったかということだ。国の指示では、原発の出力抑制は再エネよりも後に抑制することになっているから、フル稼働していたとしても問題にはならない。だが、7~8割に出力を抑制していれば再エネの抑制を少なくすることはできる。さらには、どれだけの電力が中国電力に送られていたかも知りたいところだ。

抑制された138万キロワットというのは大型の原発一基を上回るもの。この抑制に時間帯別に幾つかの段階が設定されていれば、現段階では仕方のないものと言えるが、殆どの太陽光発電の出力停止は手動で行われているから、おそらく数時間は停止させられたのだろう。その間、本来得られたであろうゼロエミッションの電気は発電されなかったことになる。遠隔操作できるものが増えてくれば、あるいは、抑制レベルを迅速に管理できる自動制御が出来るようになれば、再エネの出力抑制のあり方は変わってくるだろう。

この間テキサス州で大規模な蓄電池が設置されたことを紹介したが、日本の場合、太陽光や風力発電事業者に蓄電池コストの負担を求めることになっている。だが、欧米の場合には系統運用事業者がコストを負担することになっていると聞く。日本でも早くこの方式に切り替える必要があるだろう。そうすれば、コスト負担は送電系統を流れる電気のコストに上乗せされることになるが、かなり均等化されるはずだ。また、この出力抑制の時間帯に電力需要を増やすような施策をとることも検討する必要があると思う。何も蓄電池が唯一の手段ではなく、水素製造、氷蓄熱、空調設置温度の自動調節、電気温水器の稼働など各種の蓄電方式や需要喚起方式を開発する必要があるだろう。