効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■電気自動でビル電力のピークカット

 電気自動車(EV)は大きな容量の蓄電池を積載している。これを外部から利用できれば良いというのは誰でも考えることだ。しかし、長く走っていて残りの電気が少なくなっているEVは利用できないし、逆に太陽光発電の電気を充電するとしても、既に蓄電池が満杯であれば、太陽光発電からの電力を他で利用できるようにしなければならない。そのために補完の蓄電池を使うのが良いのかどうか、いろいろなケースがあって、コストとも兼ね合わせるとその組み合わせは複雑になる。

 NTT西日本とNTTスマイルエナジーが、日産自動車と協業し実施中の電気自動車(EV)を活用したV2B(vehicle to building:EVとビルの間で電力相互供給する技術やシステム)によるオフィスビルでのエネルギーコスト・CO2削減トライアルにおいて、夏季ピークカット実証で電力料金等の削減効果を確認したと発表している。このトライアルは2018年12月から開始され、2020年3月31日まで実施されることになっている。NTT西日本はトライアル検証やビジネスモデル検討、事業性検証を行うほか、将来の再生可能エネルギー地産地消モデルの検討に取り組む。NTTスマイルエナジーは、V2B遠隔制御、監視システム等のIoTシステム(クラウド、コントロールバイスなど)の開発に加え、将来の再生可能エネルギー地産地消モデルに必要となる機能を検討している。

 夏季ピークカット実証では、カーポート型太陽光発電システムで発電した電気をNTT西日本山口支店オフィスビルで自家消費し、発電状況や電力使用状況に応じて、クラウドからEVや定置型蓄電池を遠隔制御(充放電)し、EV利用ユーザーの利便性を損なうことなく、エネルギーコストやCO2排出量をいかに削減できるかを検証した。電力会社からの買電量実績(kWh)に基づく買電量予測と、日射量予測に基づく発電量予測からオフィスビルの消費電力量を予測し、消費電力予測からピーク時間帯を割り出してEVから放電するスケジュールをV2Bに登録する。消費電力を精度良く予測することで、「ピークカットの時間帯」や「ピークカットに必要なEV放電量(kWh)」を予測でき、これにより効果的なピークカットを実現できるということだ。

 これは、今後社会一般で広く利用できるようにする第一歩で、この結果に基づいてさらに制御、予測システムが開発されなければならないだろう。一方、自動車は停まっている時間の方がはるかに動いている時間より長いと言われるが、その稼働予測や予定の登録などもひつようとなるし、EVそのものにこのようなシステムに容易に参加できる制御が標準装備となっていなければ普及は難しいだろう。EVを電力の需給調整に利用するためのシステム開発の第一歩だと思っている。

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