東芝エネルギーシステムズは30日、水素を燃料として発電する燃料電池システムを福島県から受注したと発表した。東芝は家庭用燃料電池エネファームを製造販売していたが、数年前にそれを止めた。将来の市場に期待できないと判断したのか、太陽光発電を使って水を電気分解して製造する水素で発電するシステムの方が商品として有望だと思ったのかは分からないが、固体高分子形のエネファームはパナソニックだけが製造販売している。東芝はエネファームで蓄積したセルスタックの技術を使って、規模の大きいH2Oneという水素製造設備・燃料電池を開発し、その後外部から供給される水素で発電する100kW規模のH2Rexこれまでに100基以上設置した実績があるとのこと。福島県からの受注もその裏付けがあって実現したのだろう。福島県では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東芝、東北電力、岩谷産業が世界最大級の1万キロワットの水素製造装置を備えたプロジェクトを進めており、19年10月に建設が完了し試運転を開始する。そこから水素を運び込むようだ。水素運搬の実証にもなる。
福島市のあづま総合運動公園に設置される純水素燃料電池システム「H2Rex」は同公園で2020年4月から運転を始める見通しになっている。受注額は約2億円。具体的な価格を知ったのは初めてだ。体育館の照明や空調などの電力として使われる。発電する際に発生する熱はお湯として活用するらしい。体育館が使用されていないときには、水素貯蔵することになるが、お湯の消費量とのバランスはうまく出来ているのだろう。ここでの使用実績は東芝にとって極めて有効なデータとして利用できるはずだ。オーストラリアで集光式太陽光発電からの電力で水素を製造し、日本に液体のチクロヘキサンとして輸入する計画も推進されている。これも初めて知ったが、水素を経由するのではなく直接チクロヘキサンを製造する技術も確立しているという。このような事例が国内外を問わず普及することが今後期待されるところだ。
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