効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■京セラ、蓄電池の原材料費3割減

 今年は台風やら豪雨、地震などによる自然災害に伴って、広い地域に停電が起きるブラックアウトが何回も起きた。自前の電源がほしいと思う人の数は飛躍的に増えたはずだ。特に先月起きた千葉県での停電が長期間続いたために、それ自体が災害を起こす原因ともなった。加えて、この11月から太陽光発電の固定買取期間が終了する世帯の中には、蓄電池を使って自前の電力を使いたいというケースも増えている。そこでもっとも必要とされるのが蓄電池だ。リチウムイオン電池が電気自動車も含めて広く使われるようになり、そのコストも大きく下がっているだけに、自前の電気を使おうとする傾向は今後さらに強くなるだろう。

 そこへ、京セラが従来よりも原材料費を約3割抑えられる次世代型リチウムイオン電池を2020年秋から量産するという報道記事が入ってきた。滋賀県内の工場に約100億円を投じて専用ラインを設け、まず20年1月に発売する住宅用蓄電システムに採用するということだ。京セラは現在蓄電システムのリチウムイオン電池は他社から調達している。これを自社製の蓄電池に切り替えて太陽光発電の電気を自家消費しようとする需要を取り込もうとしている。リチウムイオン電池は電極の間を電解液で満たすが、京セラは電解液を電極に練り込んで粘土状にする独自技術を開発したということだ。電極の層の数も減らすことができ、電極と電極を仕切るセパレーターや集電体も少なくできるため、原材料費を削減できる。液体の電解質は電池が破損すると発火や発煙しやすいが、粘土状にするとこうしたリスクを抑えられる。これは安全度の高い蓄電池を製造することになるため、今後、業務用にも販路は広がるだろう。

 これまで自社製品を持たなかった京セラが、製造の全工程を自社内で行う決断をしたのには、将来の市場の大きさを確認したからだろう。それにしても驚きではある。

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