関西電力が原発関連事業を巡って、高島市元助役から多額の金品を貰っていたということが広く報じられている。これが当初税務当局の調査で分かったと言うことに興味を持った。というのは、多分、関電幹部の銀行口座を見て、助役からのお金が振り込まれているのを不審に思ったことから始まったのではないかと感じたからだ。お礼として品物を贈って貰っただけならば、それが高額のものであったとしても、税務調査の対象にはならなかったはずだ。直接の振込、あるいは、品物を換金したものを口座に振り込んだことが、所得になるとみられたのがきっかけだろう。これで関電の幹部は特別背任の罪に問われることになるかも知れない。その人数も多くなるだろう。
社会の受け止め方は、他の旧電力会社にも同様のことがあると考えるだろうが、このような原発推進を強力に進めようとした自治体は多くはないから、それほどでもないが、電力会社から自治体幹部に対する働きかけにともなう金品が動いた可能性は高いだろう。これに建設会社がからむから状況は複雑化する。
いずれにしろ、これで原発推進は大きなブレーキをかけられることになる。いま稼働中の原発もこの事件がらみで停止するものが出てくるだろう。短期的には化石燃料使用の発電所の稼働が増えるし、石炭火力の増設が現実化するかも知れない。日本の電力事業の歴史に大きな転換点を作り出した物になる可能性が高いと思う。さらに、関電から新電力に切り替える人が増えるかも知れない。
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