効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素の燃料電池向け大量生産

これまで水素は合成化学用、あるいは、高炉の副産物として生産されていたが、燃料電池の燃料としては利用されていなかった。それが、2010年の東京オリンピックを機に大量導入される燃料電池バスなどに向けた燃料供給を目的とする水素生産設備が、東電と中部電力の合弁であるJERAが石油関連事業のJXTGとともに天然ガスから大量に水素を製造する設備を建設することになった。東電の大井火力発電所(現在停止中)構内に建設されるが、2020年6月から稼働を開始するようだ。水素供給能力は毎時600N立方メートルで世界最大級の設備になるという。1時間あたり10台の燃料電池車(FCV)に充填でき、FCVやバス、輸送用のタンクローリーに水素を供給する。

水を再エネ発電設備からの電力で水を電気分解する方式でも水素を製造でき、小規模のものは実用化されているが、大規模なものはまたコストが合わない。この方式については、福島県浪江町NEDOが大規模な1万キロワット規模の設備を2020年から実証テストに入るが、これがコストダウンのきっかけを作るかも知れない。ドイツなどでは再エネ発電からの余剰電力を蓄電する方式として普及させようとし始めている。これから水素がエネルギー源として重要視される時代がすぐ近くにまで来ていると言えるだろう。