効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関西電力、大飯原発1,2号機を廃炉に

このニュースは多少でも報道に接している人なら知っていることだと思う。関電が廃炉にする理由が、安全対応の投資が回収できないということは、これまであまり言われていないことであるだけに、日本の原発の歴史の中で重要な位置を占めるものだろう。原子炉の形式が特殊なもので、多少の修正では安全審査に通らないということがポイントだとされている。いまの安全審査では、40年で廃炉にするのが原則だが、延長に向けた審査に通れば60年まで延長できることになっている。大飯原発1、2は運転年数がそれぞれ38年、37年だから、稼働延長審査への対応が無理だと判断したのだ。重要なことは、この原発の単機出力が118万キロワットと大きいということ。関電の高浜原発1,2号機は延長されることになったが、83万キロワットと規模が小さい。他社の休止中の原発でもこれから廃炉になるものが出やすくなるかも知れない。規模の大きいものが多いのは東京電力だ。
選挙で決まる与党は、これを前提にして今後のエネルギーミックスを策定しなくてはならないのだが、原発の維持は非常に難しくなるだろう。原発はよく国産エネルギー扱いされるが、原子燃料は海外からの輸入だし、プルサーマル燃料も海外で作られているから、嘘だと言っても良い。廃炉には30年かかるということも重要。新設、増設はまず無理。それを再エネで全て代替は出来ないが、できるだけ設置規模を大きくし、残りは主として地球温暖化ガスの排出が少ない天然ガスによる方向にならざるを得ない。この化石燃料の輸入が必要だが、量と価格の安定に向けた外交とエネルギー事業者の腕次第となる。また、地域エネルギーシステムの導入も必要だろう。今後のエネルギー政策がどのようになるかを見守っていよう。