効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■IEA、再生可能エネルギーに関するレポート発表

 先週IEA(国際エネルギー機関)が、Renewable 2018という標題の、再エネに関する年次報告を発表したのを入手した。211ページのpdf版だが無料ではないので多少躊躇はしたが。毎年購入しているから今年もということだ。Analysis and Forecasts to 2023 と副題にあるように、2023年を視点に入れた現状分析。最初にあるサマリーを読んでいるが、全部を読み通す体力はない.。だが、何かを調べたいときには目次を辿れば分かるし、それに掲載されているデータやグラフが自分の考えをまとめるのに極めて有効。今年の分析と予測では、バイオエネルギーに焦点が当てられている。というのは、風力や太陽光発電が急速に伸びているが、運輸関連の燃料に依然として大量の石油が使われていることを問題視している。バイオマスの利用については、薪炭などの旧来から燃料に使われてきたものは除外したものをモダンバイオエネルギーと定義して算定している。それによれば、モダンバイオエネルギーは、2017年に消費された風力、太陽からの再エネの4倍に相当する量をを占めているが、殆どが暖房用や工場などの燃料としてのもので、運輸用の燃料に混入されるバイオエタノールバイオディーゼルの量はまだ少ない。IEAはこれから2023年に向けた再エネの増加に貢献するのはモダンバイオマスになり、30%の貢献をすると予測している。

 2017年には、世界の再生可能エネルギーの増加は5%以上。最終エネルギー消費全体の増加の3倍早いスピードで伸びている。世界の電力向けでは、風力、太陽光、水力発電の貢献が大きく、全体の電力消費量の伸びの半分を占めている。また、世界のエネルギー需要に対応する再エネのシェアは2023年には12.4%となり、2012年から2017年迄のシェアの伸びよりも大きくなると予測している。伸びの大きいのは電力分野で、2023年の世界の総発電量の30%になるとしている。問題は運輸部門への再エネ導入で、政策的な支援が十分に及ばないために、この分野での伸びは大きくならない。国別で見ると、ブラジルがエネルギーミックスに占めるグリーンエネルギーの比率は最大だが、グリーンエネルギーの増加にもっとも貢献しているのは中国。ブラジルは2023年の同国最終エネルギー需要のほぼ45%というシェアを占めることになるが、その中核は運輸・工業部門でのバイオエネルギー消費で、電力部門では水力が中核となる。一方中国では、政府の推進施策が強力に進められ、絶対量で見れば想定期間内では首位を走り、EUを追い抜いて再エネ消費が最大となるとしている。

 ここで気になったのは最近ブラジルのアマゾン地域で起きた大規模な森林火災のことだ。世界の温暖化ガス吸収に大きく貢献してきた熱帯林が多く失われてしまったことが、この予測には入っていないので、ブラジルに関する分析が来年どうなるかが心配となる。

 

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