効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

トヨタとFuel Cell Energy社の再エネ電力、水素、水プロジェクト

溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)を製造販売するFuel Cell Energyとトヨタ自動車のプレスレリースを入手した。Fuel Cell Energyがカリフォルニア州ロングビーチ港に、2.35MWのMCFCを設置し、燃料として畜産糞尿を発酵させて得られるメタンを使って発電し、排出される水を集めて電気分解して水素にし、トヨタ自動車の水素充填装置用に販売するということだ。カリフォルニアは畜産が盛んなので、発酵メタンを十分確保できるらしい。これによって、再生可能エネルギーとしての電力と水素が入手できることになり、電力は全量を再エネ電力でまかなうトヨタの最初の施設で消費し、水素はトヨタ燃料電池自動車Miraiと燃料電池トラックの燃料として使用することができるようになる。これによってカリフォルニア州の環境改善目標にも大きく貢献できることにもなる。2018年に着工し、2020年頃から実稼働にはいるという計画になっているという。製造する水素約1.2トン/日は燃料電池自動車およそ1,500台の日当たり平均走行距離に必要な充填量に相当する。現在、カリフォルニア州では合計31基の水素ステーションが稼動しているが、トヨタは、本年9月にシェル・Hondaとともに同州北部への水素ステーション7か所の新設を発表している。日本ではまだこれだけの規模の燃料電池は稼働していないが、固体酸化物燃料電池SOFC)で同じようなプロジェクトを可能にしてほしいものだ。